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平成25年度 15の学び

子育て支援者「15のまなび」
講座レポート (講座を終えてのまとめ)

7/27 高橋由紀①

日本古来の育児法をベースにした「赤ちゃんのだっこ講座」の実践とその意味。
13:00~16:00 

7/28 高橋由紀②

骨盤調整ヨガのプログラムを通して、産前産後の心身のバランスを整えるためのケア、サポートの仕方。
10:15~13:00 

高橋由紀さんの「赤ちゃんのだっこ講座」の実践
「産前産後の体調のケア、サポートの仕方。うけてきました。

高橋さんご自身が、高校生の時に椎間板ヘルニアだったとかで
そこからいろんなものを試して改善してきて
今や毎年健康を更新されてるとか。

私も3姉妹子育て中、10年くらい体調がしんどかったので
鍼灸をうけたり、
姉がボディワークおたくなので、そのすすめで
外国系のアレクサンダーテクニークを受けたり、
フェルデンクライス・メソッドやらも体験したり。
からだ系のこともあれこれかじってきてたんです。

だから、高橋さんが相当いろいろな手法を学んで
包括的に、なぜそうしたほうがいいかってことまで
含めて実践し、お話されてるのがわかりました。

お二人目出産前ということで、なんとか7月末に
講座していただき、ありがとうございました。

お話のなかで、
なんで姿勢や体調が悪くなるのか?って考えた時、
いくら調整したり直しても、
ふだん体調が悪くなるような体の使い方をしてるからだって。

適切な体の使い方をするためには、
ボディ・センスを高めることが大切だってこと。

もともと、ヨガやボディワークって、
自分の体への気づきを大切にしているもんだし、
この感覚が鈍っていると、自分の今の状態には
あわない、むしろ逆効果になるメソッドをやってしまって
調子が悪くなるってこともおこるわなあ。

日本古来の育児法の中には、
日本人の体形にあわせて、長く培われた知恵が
じつはたくさんあるってことを、もっと伝えていきたいとか。
たとえば、 日本ではずーとおんぶで子育てしてきたのは、
子どもの発育の点からも効果的で意味があるものだから。

抱っこが主流になってきたのは、ここ2.30十年のこと。
(家のなかで、家事するときにおんぶする方はいるものの)

たしかにそうよねえ、だのにもう」「おんぶってなんのこと?」って
意味わからないママもでてきているらしい。
ものすごく子育ての環境って変化してきてるんだねえ。

後半は、お人形をつかって、抱っこのしかたの実習も。

おかあさんが楽に抱っこできるだけでなく、
赤ちゃんがおかあさんに抱きつける力を補助するような
抱き方を意識していくことも大切だってお話、

おかあさんも自分の手でどう支えたらいいのわからなくなったり、
赤ちゃんもしがみつかないと落ちるっていう本能が薄れたりと。

実際、体がこってたり、冷えやこりのある赤ちゃんも 
増えてきているらしい。

私もこれからは、母乳育児のことだけでなく、
抱っこのしかたとか、赤ちゃんへの触れ方とかまで含めて
伝えていくことが必要なんだろうねえ。

9/7 沢山美果子①

江戸時代の産み育てることと、男・女・子ども。過去から今を見つめます。
13:00~16:00 

9/8 沢山美果子②

母一人の子育ての起源と問題点を探り、子育て支援のあり方を考えます。
10:15~13:00 

沢山美果子先生の9月7日、8日の講座に参加しました。

立って話してるのは迫さん、右の座ってるのが沢山先生

生きていく中で出会うさまざまなこと、
それに対して問いをもって、学んでいくことが大事という
学ぶ姿勢の根本的なお話をはじめにお聞きしました。

江戸時代、それ以降のたくさんの文献資料から、
そこからよみとれることは何?
ときには「どう思います?」とあてられたり。

ユーモアも交えてのなごやかな語り口に、
こういう講義なら学んでみたいなあって思える先生でした。

今世間の常識と思っていることが、じつは過去の歴史を
さかのぼってみていくと、お産や子育てについても
思いがけない事実がいろいろあることに、まずびっくり。
たとえば、お産に夫が立ち会うのは、
西洋のラマーズ法の考え方が入ってからと思ってたのが、
江戸時代の農民の場合、
産むことに妻と夫の両方がかかわってるとのこと。

江戸時代は座産が普通で、夫が妻の腰を抱いたり、
産湯をわかしたり、赤ちゃん抱っこしたりということが
文献や絵からわかってきたのだそう。

ヨーロッパから日本にきた人が、驚いてスケッチを残しているくらい、
江戸では男性が子どもを抱っこしてる姿は、
よく見かけられたんだって。

これってイクメンだらけってこと?
農民だけでなく、下級武士の家でも、
夫がおむつ替えたり、トイレにつれていったりと、
夫婦して子育てにあたっていたらしい。

江戸時代には子どもは3人くらいがちょうどよいという考え方で、今も言われてる 一姫二太郎
はじめの子は女の子のほうが育てやすく次の子が男の子っていう意味に解釈されてること多いけれど、じつは、女の子一人と、男の子二人(家をつないでいくため)が理想って意味なんだとか。

時代劇って、映画やドラマで見ているものの、庶民の暮らしや子育て状況はどうだったかまではあまり描いてないから、ほんとのところはわかってなかったんだなあ。

こういった日本の伝統も、明治に入って近代化の中で、ごっそり抜け落ちていって、社会も変わってきたこと。

近代になって家庭だの主婦がうまれ、近代家族性別役割分担家族であり、職住分離家族になっていくとのこと。

それについては簡単には書ききれないので、省略するとして、今の学歴社会とか、他の子どもや家庭と比べて子育ての優劣を競う風潮の発祥が、明治時代の近代化の中にすでにあったことがわかったんです。

近代化や高度経済成長といった時代の大きな流れの中で
今、家族の問題が噴出してきたのは、 「時代の病い」なのではということを、ふと感じました。
それぞれの家族だけの問題ではなく、全体におおいかぶさってるようなもの。
俯瞰することで見えてくるものというか。 

(写真*朱 報告より)

9/14 北川恵① 

乳幼児期に親子の間で形成される絆=愛着(アタッチメント)について。
14:15~16:00 

乳幼児期に親子の間で形成される絆=愛着(アタッチメント)について
とてもわかりやすく、笑いもとりいれてのお話でした。

最近、愛着障害の言葉も見かけるものの、
そもそも愛着(アタッチメント)って何?

子どもと親がみつめあってほほえむこと?
親がわが子のことをとてもかわいいと思うこと?
これは、愛着というよりも愛情。

日本語での「愛着」の意味は、
慣れ親しんだものに特別な感情をもっていること
愛着のあるランドセルといったように。

愛着(アタッチメント)の正確な意味が伝わってない状況らしい。

子どもが本来もっている本能的欲求であって、
愛着(アタッチメント)
子どもが不安な時にくっついて、安心したい本能

「探索」
十分安心感がある時に、
好奇心を発揮したり、いろんなことをやってみたがる本能

子どもは、不安になると安全な避難所をもとめ、
安心すると、安心の基地から探索行動をするというように、
安心感の輪の中で、くるくる回っているというとらえ方。

ようするに、子どもが転んでわーと泣いて、
ママのほうに来てなでなでしてもらって落ち着くと、
また再び遊びにいくってこと、あの状態ですね。
痛かったり、こわかったら、ママにところへいくと
なぐさめてもらえたり、守ってもらえるという経験があると、
誰に、何を期待できるかってことを、
体で覚えた記憶として残り、それが長期的な影響も与えるのだとか。
子どものパターンができてくるのが、生後3、4か月頃らしい。

健全なアタッチメントが形成できると、

○周りの人とのつながりを感じられる。
○自分や他人にプラスの期待が持てる。
○自分の感情を整える力が育つ。
不安で圧倒されたり、自分の感情をぶつけてしま
ことなく、気持ちを伝えたり、困ったときに助けを
期待できる。

といった人間関係をつくるうえでのこころの土台となる部分が
できるんでしょうね。

子どもが安心してる時は、探索を応援しよう。
見守っていたり、笑顔をむけるとか。 

子どもが不安になってる時は、安心感を与えよう。
赤ちゃんの時は抱っこが多いものの、
スキンシップは手段であって、
成長につれて、気持ちにそった言葉かけが大切。
泣いている子どもの気をまぎらわせようと、 
「あれがあるよ」とか他の刺激を与えることって、
実は、子どもがほしい安心感を与えられると思います?

子どもによっては、逆効果でさらにボルテージアップすることも。

私の娘の例ですが、今から思うと、
三女はさびしから、慰めてねという気持ちにたいして
お菓子を与えることで、紛らわせていたような。
甘いもの好きになって、風邪ひきやすくなちゃいました。
こういう親子の気持ちや対応のずれが、
後々いろいろでてくるような気もします。

子どもからのシグナルを親が適切に応答している割合は、
どれくらいあったらいいと思います?

これ聞かれた時、5割とか8割くらいと思った方多かった。
じつは、3割でいいんですって。

しかも、気づいたところから
修復すればいいという考え方。
子育てってけっこうしまったってこと多いので、
修復できるという希望があるのって大事ですよね。

アタッチメントというのは、子どもに限ったことではなく
大人にもあって、「アタッチメント対象はパートナーですかね?」

この言葉に、笑い(失笑?)が、
確かに男性は妻に母を求めるからね。

子育てについて、あらためて考えさせられるお話でした。

9/15 北川恵② 

アタッチメント理論に基づく親子関係支援プログラムCOS-Pの実際。
10:15~12:30 

アタッチメント理論に基づく
親子関係支援プログラムCOS-Pの実際と、安心の輪子育てプログラム

初めて赤ちゃんを育てだしたママ、
おっぱい飲ませても、おむつかえても、
抱っこしても泣き止まない赤ちゃんに、
途方にくれて、
「私を困らせようとして泣いてる?」って
感じることってありませんか?

子育てってマニュアルどおりにいかないし、
しかも子育てについてなんて教えてもらってないわ、
ほとんど体験したことないわの未知の世界。

子育てに悩むママの気もちの奥には、
「この子のためになんとかしたい」という思いはあるはず。

ただ、本や情報などの言葉だといまいちピンとこなかかったり、
具体的にどうしたらいいかってわからないことも多いもの。

そこで、開発されたのが
COS-P(Tha Circle of Security プログラム)

健全なアタッチメント形成に必要なかかわりには
子どもの欲求や気持ちがわかること、
それに応えられることが大切

そのために
「安心感の輪」という考え方に基づいて、
親子の行動をビデオにとり、観察し振り返りながら
その行動やその時の気持ちに気づいていく方法。

あら探しをするのではなく、
親の背景理解(親の心の中の傷つきやかたくな部分など)しながら
親のよいところや増やしてほしいところを強調し、気づいてもらう。

甲南大で3年にわたり実施された例の中から、
いくつかの場面をみせていただきました。
知らない部屋に親子で入ったさい
子どもはママから離れず、ぐずぐず泣いてる。
ママは、おいてあるおもちゃを指さしている。

「どんな行動してますか?」
「安心感の輪の上半分(安心)、下半分(避難所)?」
「その時、子どもの欲求はなんでしょう?」
「ママはどんな気持ちでした?」といったように
順番に振り返っていくのだそうです。

子どもは、ママにくっついて泣くのは、
「不安だから慰めてね」という欲求をだしているのに対して、
ママは、早く自律してほしいと思っていたよう。

子どもがだしている欲求を満たしたほうが、
子どもも落ち着いて自発的におもちゃにむかうといった
場面を体験する中で、アタッチメント欲求を満たすことが
自律への近道だということに気づいたとのこと。 

欲求の中には、下半分の 守ってね、大好きってうけとめてね、
気持ちを落ちつかせてね、など
上半分の いろんなことするからみていてね、
一緒に楽しんでね など 
いくつかあるんです。

アタッチメント欲求を満たすだけでなく、
もちろん、けがの恐れや、危険なことをしようとしてる時は、
とめるといった毅然とした対応も必要です。

グループでされると、自分では気づいてなくても、
他の参加者から言われて、そうだわと気づくこともあるそう。

このプログラムの実践にはかなりの研修が必要なため、
COSのエッセンスを盛り込んで、既成のビデオを使用した
安心の輪子育てプログラムが新たに開発されました。

安心の輪子育てプログラムとは、
子どもたちの言葉だけではない、しぐさや行動から、
その様子を客観的にとらえ、
子どもたちの欲求を上手に読み取り、
応えていけるようになることを目指しているプログラム

まだ実施できる方が少ないのが現状のようです。

感想

お子さんがなかなか離れてくれなくて、
いらだってるママって多いような。
甘えさせてはいけないという思いもあるからでしょう。
お菓子やおもちゃをほしがる場合、その心の奥底には
アタッチメント欲求が十分満たされてない不満があるからかも。 
ただ、育ててるママ自身もアタッチメント欲求が満たされた
経験が少なかったりする場合もあって、子どもの欲求を
すんなりうけとめられないことも多いようにも思います。
(私自身も含めてですが)

■臨時講座

9月15日、北川先生の アタッチメント理論に基づく 親子関係支援プログラムCOS-Pの実際。

今回の講座に、北九州から参加いただいた古野さん、 いやー、台風直撃前でよかった。
貴重な資料やお話、ありがとうございました。

講座の午後からは、すでに実施されている IPPO(いっぽ)プログラムのお話をおききしました。
もともとは、2003年にNPプログラムのトレーニングを (ノーバディ・パーフェクト)完璧な親はいない うけて、NPプログラムを実施されていたとのこと。
1才未満の赤ちゃん子育て中のママの場合、
ストレスを感じやすく、 赤ちゃんとは離れにくい時期なので、
この時期のママを対象にしたプログラムが必要なのではと いうことで、開発されたそうです。

子育て支援の現場にかかわっている方は、
赤ちゃんをあやすのに抵抗あったり、
基本的な世話のできない方いるのを知って、
けっこう危機感を感じて動いている方が多いように思います。

IPPO(いっぽ) 第1子6か月未満の乳児母子のための支援プログラム、 IPPOは幸福の循環を作り出すプログラムです!
1回の講座の中には、あやし歌や、ベビーマッサージ、
お茶タイムや、おやべりタイムなどもりこんであって楽しそう。
グループで話すさいには、スタッフが一人はいるようになってたり、
保健師さん、助産師さんも含め、スタッフ同士がチームとして
運営にかかわっていくあたり、すばらしいですね。

こういったプログラムができるまでには、
2006年から5年かけて実施の仕組みを作りに費やし、
2011年に福岡県虐待予防プログラムとして採用されたことで、
17市町での実施後、2012年には福岡県、長崎県、佐賀県へと ひろがっていった模様。

行政とタッグをくんだことで、新生児訪問のさいに
参加者を集めてもらうといったことが可能になり、
ワンコイン程度までの参加費で参加できるという仕組み。

チーム内でいろいろ話し合われ連携がよくなると、
子育て支援スタッフの資質が向上するという効果も。

参加されたママが、グループのリーダーとして
参加されるというように、循環型になってるそうです。
循環型っていうのは、子育て支援の中では 支援をうけた方が、
今度はお返ししたいということで
支援するほうに回るといった支援サイクルを表してます。

現在も、いろいろ調整はされているようで、
電子メディアとのつきあい方などもとりいれたりと、
フレシキブルな仕組みになっている点もいいなと思います。

プログラムが完成してしまうと、最初に人ありきじゃなくて、
プログラムありきになってしまって、
プログラムの中に人をおしこめていくってことがおこりがち。
あれこれいろいろ体験したり、見てると思うんですよね。

ママもグループに参加する中で、いろいろな気づきも得られ、
スタッフも複数の方がチームとして多様な観点から とりくめることで得るものも多いように、
これからはグループのチカラをひきだせるかどうかがカギになるのかも。

9/28 手島渚

コミュニケーションのためのツールとしての「ハグモミ」の意味と目的、実際を体験します。
10:15~13:00 

ハグするようにモミモミしよう、
モミモミするようにおはなししよう
意味と目的、実際を体験しました。

もともとボディ・セラピストとして13年活動されていた手島さん、
スウェーデン発祥のピースフル・タッチの
子どもたちがお互いに体のケアをしたり
学校の先生が子どもへ体のケアをする
相互ケアのDVDを見て、これは日本にも絶対必要だと
思ったのがはじまりとか。

その後、何人かのセラピストと共に試行錯誤の末に
できあがったのが、オリジナルのハグモミ。
ハグモミがめざしているのは、
コミュニケーショオン、スキンシップ、体のケア
二人でお互いにやりあうところに意味があるから、
自分ではケアしにくいところ(肩、背中)をメインに
手の平を使って、4つのやり方でほぐしていくんですって。

基本の4つの動き なでる、ゆらす、おす、たたく、

腰とか自分でもゆすることはできるんだけれど、
自分ですると運動神経を使うから、
人にやってもらったほうがほぐれやすいだそうな。

私も肩はこりすぎていて、自分ではもはやこってる感じが
してない状態。人にさわってもらって、初めて疲れや堅さに
気づく始末。

こうしたちょっとしたケアが、日常の中で習慣として根付くと、
期待できる主な効果

自分の体への意識を高め、関心をもてるようになること。

からだのケア 筋肉、皮膚へ働きかけてゆるめる

ストレスケア 間脳は、緊張や不安などのストレスに弱いところ
肌にふれて優しく動かすことで、皮膚の受容体が刺激され、
間脳のストレスを和らげ、脳を活性化するのだそう。

免疫力向上  緊張をゆるめることで、内臓やホルモンの働きを
よくする
コミュニケーションの活性化 
ネットに接する時間が増え、人と話す時間が減っている今、
触れ合いタイムなら、愚痴や思いも素直に言える

実際にやってみると、遊び心満載で、
くまさんのっしのっしとか、イメージをふくらませて、
楽しく、かんたんにできるのがすてき。

私も3人姉妹子育て中は、体がしんどくなると、
ついイライラして怒りやすくなってたんで、
子育て中のママが、パパとほぐしあったり、
親子で遊びながらほぐしあえたら、笑顔がひろがりそう。
これからもっといろんなところでひろがっていくといいですね。

ハグモミについては、
「ハグモミ」 手島渚 発行 マーブルトロン 
http://www.hugmomi.net/

10/19 小林みゆき

フェルデンクライスメソッドから、赤ちゃんが動作を習得していく過程を学びます。
10:15~13:00 

小林みゆきさんの講座は、ワークショップ形式で、はじめに「発達」 「発育」の言葉からどんなイメージや考えがでてくるかってことをグループでだしあってみました。

グループによって違った観点からの考えがでたりで
正解をみつけるのではなく、いろんなとらえ方を発見するって感じ。

実際のワーク
ヨガマットにまずはあおむけにねころびます。
体がどんなふうにマットについてるか、右と左ではどんな違いがあるかを感じてみます。

その後うつぶせになって足の指をたてて、いくつかの動きをやってみました。
そのさい、小さくゆったりした動きというのがポイント。

フェルデンクライスメソッドでは、感性を高めるために、
あえて小さくゆったりした動きにしているのだそう。

いくつかの動きをやってみて、どの動きが自分にしっくりくるのかって感じることが大切。

やった後、再度ねころんで最初と変わった感じとか、
立って歩いてみて、足の裏の感じがどうかをまた感じてみるんですが、
人によっては最初堅い感じだった足がゆるんだとか、
しっかり踏みしめてる感じがするとかいろいろ。

おまちかねの赤ちゃんの動きの体感、子宮の中でのびたり、
まるまって縮こまったりの繰り返し

これやってみるとなんか気持ちいい。

さらに生れ出て、ずりばい、よつんばいではいはい、
お座りして、たちあがるのを自分でやってみたんです。
まあふだんはやったことない動き。

子育てを楽しむ会のスタッフの方は動きやお座りが遅いとかの
ママからの相談が多くて対応に困ってらしたのが、
この講座をうけて体感したことで赤ちゃんの動きや様子を見て安心して
対応できるようになったそう。 
参加者の方から一言ずつ感想をシェアしあいました。

今回動きに焦点をあてて体感したんですが、動きというのは、
感情、感覚、思考、行動の4つとつながっているもので、
動きをきたえたほうが全体的な能力も豊かになるのだそうです。

赤ちゃんの動きを体感してみて、ほんと「はじめに動きありき」だなあって。
赤ちゃんは手や足や動かして成長していくんですね。

フェルデンクライスメソッドとか、
アレクサンダーテクニークといったボディワークを含む、
ソマティック教育という考え方があるとか。

体操、スポーツ、体力作りとかはどちらかというと
体をモノとしてとらえるのに対し
ソマティックではこころを含めた身体全体としてとらえようとする考え方

 ソマティック・エデュケーション(身体教育)とは、
 身体を通して、自分の身体の緊張に気づいたり、
 意識や心の状態に気づいたり、
 自分の姿勢=心の姿勢や思考パターンに気づいたり、
 身体を通していろんなことに気づけるように促すことです。
 こちらからの引用です。
http://www.earthspiral.jp/pages/000141.html

 妊婦さんむけのゆったりママ体操や、
 自己表現としてのダンスなど多彩な活動をされてる
 小林みゆきさんの様子はこちらで、
http://blog.goo.ne.jp/felcafe

11/2 左古かず子

出産現場から見た、子育ての難しさや子育て支援のヒントなどを学びます。
10:15~13:00 

あゆみ助産院の左古かず子先生をおむかえして
出産現場からみた、子育て支援のヒントを学びました。

今回、助産師さん、保健師さん、保育士さんなど
子育て支援の現場に関わる方の参加も多く、
もう涙ぐみながらお話聞いてる方もいました。

産婆さんの時代の日本の産む力は世界一と
言われた時代もあったとか。

左古さんが開業された27年前は、5年間くらいは
自分の力で産むことができる方がほとんど。
平成5年頃から徐々に変化して、
平成10年頃には大出血して産後に点滴が必要な妊婦さんが
でたことで、妊婦さんの体を整えるための3つの標語をつくって
食べること、早寝早起き、体を動かすことを
気を付けてもらったのだそう。
それでも平成15年頃に病院へ搬送するお産がでたことで、
さらなる食事の見直しをして
妊娠8か月以降は、
フルーツ、白砂糖をなしにしてもらったところ
お産のさいの出血がぐっと減ったのだそう。

さらに味覚がわからない、体の冷えに気づかないなど
五感が鈍ってきてる方も増えたため
冷え対策にも取り組むことに。
足湯、温灸、5本指ソックスの重ね履きなど
体温が上がると、胃腸の調子もよくなり
貧血も減るといった好循環に。

貧血用の錠剤を飲んでいえも改善されてない方の
睡眠時間を聞いてみると、夜の12時とか1時
肝臓、膵臓、脾臓といった臓器が
復元する時間帯は夜の11時から2時なので、
12時寝ていたのでは復元されにくいわけです。
そういう意味でも早寝早起きは大事。

運動も不足気味のため、
妊娠中おなかがぽこんと前にでる方は子宮力があるのだけれど、
横にひろがるおなかの方は子宮力も弱めだとか。
それでも、どうしてあゆみ助産院で産みたいからと
2か月ヨガのひきしめのポーズを続けた妊婦さん、
おなかの横がひきしまり、腹囲が出産まで変わらなかったとか。

こんな風に妊娠、出産を自分なりに納得のいくまで
やりきることってとても大事。
人によっては、その人のその後の人生が変わるくらいの
できごとになることもあるのだそう。

どんなお産であっても、ぜひ次の世代に
ご自分のお産の体験を伝えてあげてほしい。

「お産はどうでした?」と
お産のお話を語ってもらうのを
バースレビューというのだそうです。
なかなか話す機会のない方や、自分の中に
かかえこんでる方もいるだけに、こういう機会は大事なのだとか。

母乳育児サークルでもおりにふれて、
そういえばお産体験語ってもらったり、
かつては「おっぱいだより」の機関紙に
体験談として書いていただいてましたが、
それって意味あることだったんですね。

更年期障害で相談に来られる方の中には、
お産のことをふたしておきたい方も多いのだとか。

それだけずっとお産の時の傷を抱え込んでるのでしょう。
お産の時に何に傷ついたのか聞いておいて
胎児ワークといった体験の中で、
言ってほしかった言葉をかけてもらったり、
優しくなでたり、受け止めてもらうことを
再体験することで、解消されることもあるそうです。

胎児体験ワークを少し紹介
子宮の中のように、袋やシーツの中に
すっぽり入ってお産体験をするワーク。

一人お家でもできるのだとか。
こういう機会もまた大切にしたいですね。
思いのこもったお話ありがとうございました。

あゆみ助産院HP www.eonet.ne.jp/~ayumi55/‎

11/17 山口創①

皮膚と脳の関係などから、楽しく子育てに生かせる知識や実践的な方法を学びます。
10:15~12:30 

11/17 山口創②

親子のスキンシップ、特に「ちょい抱き」のすすめなど、効果的で楽しいふれあい方を学びます。
13:30~16:00 

11月17日山口創先生の①10:15~12:30のお話から
子育てママに知っておいてほしいことをメインにお伝えしますね。

とても穏やかでユーモアもある語り口、
「発達の順番は?」など参加者が考える時間もあったりで
わかりやすくお話いただきました。
30人をこえる方の参加ありました。

山口創先生が研究されている分野jは、
身体心理学といういって、
心と体の関係、体の中でも皮膚と心の関係がメインとか。
この身体は日本の伝統的な心身一如のとらえ方に
近いものと言えるそう。

子育てに大切なのは、
発達の順番にそって育てていくということ

体→感覚→感情→頭
さまざまな体験を豊かに感じられる体をまず育み、
しなやかな感性をもった心から頭が発達する。

赤ちゃんは中心から外側にむけて発達していくわけで
脳の中でも、脳幹   生存   赤ちゃん
旧皮質  感情   3、4才
新皮質  思考   小学校

五感の発達の順序をみても
触覚、皮膚感覚→味覚→嗅覚→聴覚→視覚
老化の場合、この順番を逆にたどって衰えていくらしい。
触覚、皮膚感覚は、一生衰えないものだとか。
皮膚というのは、「露出した脳」とも言われるくらいで、
最近の研究で皮膚にも脳と同じ物質が含まれているのだそう。
だからこそ、皮膚にふれるスキンシップが大事なんですね。
スキンシップの必要量というの年代でみていくと、
赤ちゃんの頃は大きく、思春期から成年期は少し低下するものの、
老年期には再び増加するらしい。
それぞれの時期に必要なスキンシップの量と質があり、
それに適した方法でふれることが大切。
とはいえ、文化的な違いなのか?
アメリカと日本のスキンシップを比較すると、
日本では、親子でも赤ちゃんの頃は多いのに、
思春期以降はどんと減り、
夫婦関係でも結婚前はそれなりあるのに、夫婦、老年期には
どんと減るという状態のよう。
どうも社会的にみても、全然スキンシップが足りてないみたい。
スキンシップについては誤解も多いようで
抱き癖がつく、甘やかす素、子どもを依存的にする、
男の子をマザコンにするなど、いろいろあるようです。
スキンシップは子どもを甘えさせることであって、
甘やかす(先回りして親がやってしまう)こととは別。
それについてはさまざまな研究がされていて、
母親がスキンシップをとっている、抱っこしている子ほど、
情緒が安定している傾向があり、自立心も育まれやすいのだとか。
さらに、大学生対象に調べてみても、
スキンシップ不足は、自分は愛されてなかったといった
心の不全感が残りやすく、それ以降の対人関係をつくるうえでも
影響がでてくるようです。
男の子が小さい頃、ママべったりになりやすいのは、
女の子に比べ、オキシトシンというホルモンがでにくいからなんだって。
オキシトシンというホルモンは、産後のママの子宮収縮や、
おっぱいの奥の筋肉を収縮させて母乳を乳首のほうに
押し出させる役割をもっている母乳育児のほうで
なじみのあるホルモン

それだけでなく、子どもの記憶力やストレス耐性を
高める作用もあるんだとか。
幼少期にスキンシップやマッサージをすることで、
脳に神経回路が作られ、体から分泌されるそうです。
スキンシップが大事とはいえ、なかなかできないわって方には
ちょい抱きがおすすめ。
お子さんのそばにいる時に、1時間のうち10分
抱っこしながら、子どもの目を見て心をこめて話しかける。
子どもにふれていると、10分くらいで
オキシトシンはピークに達し、子どもが遊んでいる間も、
高い状態を維持しやすいのだとか。
スキンシップはママだけでなく、
パパの肩車など遊びをとおしたスキンシップは、
お子さんの社会性を培うのに一役かっているそうです。
午後は「癒しの手」というテーマで、
実際に二人1組で触れ合うというワークもいろいろあり、
笑いながらのなごやかムードですすみました。

触覚って、体全体で感じる体制感覚の中でも
外からくる刺激を感じる皮膚感覚の中に位置する感覚。
触覚の中でも、体毛のはえている体全体の部位に
柔らかい刺激にのみ反応し、気持ちいい、悪いをひきおこす
神経線維があることがわかったのですって。
体にふれるさいにはその早さがとっても大事ってこと。  
早い動きでふれると交感神経が優位になるのに対し、
ゆっくりとした一定の早さの時に、副交感神経が優位になり、
リラックスできるということ 自分でもできるやり方として
肩から手の先までを5秒くらいで
手のひら全体やや圧をかけてなでおろす。
これ、リラックス、ストレス軽減になるんだとか。

お話いただいたことはまだまだあるのですが、このあたりで。

山口先生の本などの紹介はこちら
「子どもの脳は肌にある」山口創先生のお話から

12/7 園田正世

おんぶとだっこについての基礎知識、支援の場で役立つヒントも学びます。
10:15~13:00 

12月7日 10:15~13:00
抱っことおんぶの基礎知識ということで
だっこひも、おんぶひものメーカー
「北極しろくま堂」の代表の園田正世さん 着物姿で、
後半おんぶひもの実演も。

抱っことおんぶについて、歴史や民俗学の観点からも
人はなぜ抱っこやおんぶをするのかってことを
探ってこられた内容を写真資料も見せながら
お話いただきました。
日本だけでなく、世界の中おんぶする民族としては
中国(54の少数民族はそれぞれ違ったおぶいひもあり)
韓国のポテギ 
カメルーン、
イヌイット、エスキモー(コートの中は母子とも裸)
南米大陸の民族など 要するに、どんなおんぶの仕方をするかは
その土地の風土やその人種の骨格が影響を
与えているらしい。 世界の平均離乳年齢は、4、2才で
抱っこも4才くらいで
世界の民族の中ではおむつしていない方が多いんだとか。

ベビーウエアリング 直訳すると
「赤ちゃんを身にまとうこと」で、スリングや着物の中に
あかちゃんを入れて密着した状態で抱っこやおんぶすること それに対して
リュック式の抱っこひも、おんぶひも、ベビーカーは
ベビーキャリー「赤ちゃんを運ぶための物」で、 別ものなんですね。
(ちなみにエルゴはこちらに入ります)

ベビーウエアリングの利点は、
ママからは、赤ちゃんの要求がわかりやすい、すぐにあやせる
赤ちゃんは 要求が伝えやすい、安心できる
基本的信頼感や愛着形成をつくるうえで、
もっとも簡単で親子に作用するのが
ベビーウエアリング おむつなしでおんぶしてる民族では、
密着しているからこそ、赤ちゃんの排尿のタイミングが
肌から感じ取れるようで、それが本来の親子の自然な姿。

ベビーキャリーの場合、ママと赤ちゃんとの距離があるから
別々の存在となって、要求を感じとりにくくなるわけ。

日本のおんぶというのは、
赤ちゃんの頭の位置が高いのが特徴で、
後ろに回した手が赤ちゃんのお尻につくくらいの高い位置
これは、日本人の体形や生活環境にあっていたから。

中国、韓国ではもう少し下のほうでおんぶするとか。
背負われていても、赤ちゃんは肩ごしに
外をあちこち見ることができたし、
親がしている家事も見えて自然と知恵がついていたのだとか。

もともとははおんぶひもしかなかったのが
戦後、海外のものを模倣して抱っこひもができてきたらしい。
そのため、抱っこについてよくわかってないまま
作られた商品も多いのだとか。 1987年の新聞記事の紹介の
「抱っこ派のお母さん増えています」の写真みて、
「あー、ここに写っているのは母乳育児サークルの先輩だわ」
伏見のサークルとだけしか書いてなかったけれど、
30年前に発足した当時の見覚えのあるお顔の先輩が二人、
新聞記事は東大のデータベースに入ってるそうで
こうやって検索も簡単にできるんですね。

母乳育児サークル http://www.geocities.jp/bonyuikuji1983/

その後は抱っこが増えてきて、家事する時にはおんぶしても
外出は抱っこ派が主流になってきた模様。

後半は、実際に兵児帯(へこおび)を使ってのおんぶ実演
おんぶのさいにポイントは
赤ちゃんの足が開いていて、背中は丸まっていて
お母さんにくっついているかどうか、
くっついてないと赤ちゃんは気持ちよくならないんだって。

赤ちゃんの足の脱臼は欧米では骨格の違いから
そうないんだそうですが、
日本人、とくに女の子は足が脱臼しやすいようで
脱臼とまでいかなくても、抱き方によって、
足が片側だけまっすぐにのびたりしやすいらしいらしい。

兵児帯(へこおび)の使い方は、
「北極しろくま堂」HPにものってます。

http://www.babywearing.jp/netshop/hekoobi/howto/

赤ちゃん人形を使っての実演 チェックのおしゃれで、
丈夫な生地でできた兵児帯(へこおび)
やはり実際に何度もやってみて、
自分と赤ちゃんにとってのベストポジションとか使い方を
身に着けてほしいとか。

知らなかったことが多々あって、目からうろこがぼろって感じでした。
わかりやすいお話ありがとうございました。

1/25 武田信子①

赤ちゃんや幼児を育てるコミュニティーのあり方を考えましょう。
10:15~12:30 

1/25 武田信子②

子育てを社会的な問題として考え、その支援のありようを考えます。
13:30~16:00 

1月25日武田信子先生の講座のお話から。

実際にご自分の二人のお子さんを連れての
海外生活体験も交えてのお話でした。

日本の受験体制とかにどっぷりつかってると
これがあたえりまえって思ってしまいがち。

海外にでてみると、日本でのあたりまえは
ふっとんでしまうといった感じがしました。

各国の子どもの表情筋を見比べても、
日本の東京で見た子どもや、イギリスのロンドンで見た子どもは
表情筋が動いてなくて、のっぺらぼうなんだそう。

教育が本当にいいものかどうかは、
そこで学んでいる子どもの目がキラキラしているかどうか、
その子たちの10年先の世代の学生がイキイキしてるかどうか
そこに現れるという観点。  

海外で見た保育園でどこかいいかって選ぶさいに、
当時小2の息子さんが「こっちの保育園の子は
先生が大好きで、子どもの目がキラキラしてる」と
言われたのだそうで、それを基準に考えたらいいのかと。

日本でよく幼稚園や保育園選びのガイドも
紹介されてるものの、親の視点からが主で、
子どもの表情って基準に入ってるんだろうか?
オランダの教育についてのお話から
生徒が主人公で、 「主体性が育ち、学力もつく教育」

幼稚園でも、朝きた時に各自自分でやることを決め、
時間割を自分で決め、1週間ごとにその計画の進み具合を
先生からアドバイス受けたりするんだって。

イエナプランの導入が進んでいるそうで、  
リビングルームとしての環境づくり
根幹グループと呼ばれる異なる年齢のグループで教育を受ける
2学年や3学年が合同の学びもあり、上の学年が下の学年に
教えるというやり方、

ゲームやカード、ワークブックを用いて学ぶ
(日本のように国が指定した教科書はない)  
集団の前で、自分がプレゼンやスピーチする機会もあり
発表のさいにはみんなから拍手をもらう。   
会話・遊び・仕事(学習)・催しという 4つの基本活動を循環的に行う  
来年どうするかを決めるさいには、本人と先生と親が
話し合って、ついていけない場合は下の学年におりることも
あるんだそうです。

基本的に、その子をのばすために何ができるかが大切で、
できない状態のまま進級させることはよくないという考え方。
イエナプランについては、私も知らなかったので、
くわしい説明は、こちらを参考にしてみて。

イエナプラン教育とは http://study.japanjenaplan.org/    
日本イエナプラン教育協会

午後は、これからの教育に必要なことは何か?

子どもの育ちにとって大事なのは、
本人が自由に遊ぶ=学びであり、
脳がバランスよく発達してけるような支援が必要。 脳を育てる、
感性を育てる、
身体を育てる
これら3つの側面を育てるにあたっての
大人の役割とは  環境をつくる
邪魔をしない  たとえば、自然の中で遊ぶ機会をつくるとか、
子どもと一緒に魚とりするとか、そのさい
大人主導ではなく、子どもが主体で
その好奇心をつぶすことのないよう
大人は安全への配慮だけはしておくといったこと。

教育を考えるうえでも、
自分の日々の生活は、地域の未来とどう結びついているのか?
幸せに生き、往く力を住民が身につけるために、
地域や家庭、学校でできることは何か?

 「宇治で1年に生まれる赤ちゃん1700人のうち、
すばらしいコミュニティーをつくるうえで
この中で、 農業に携わってくれる人は何人必要?
医療に関わってくれる人は?いろんな種類の
多様な人がいるコミュニティーになるには?」 といった観点から、
これまでの社会やコミュニティーの価値観を
(より豊かであればいい、もっと便利にといった今の価値観)
問い直し、変革していくことが必要。  

お話をうかがって
外国のやり方とかを導入したとしても
現状の日本の価値観の上にたった教育であれば方向性は変わらない。

確かに根本的な土台から変えていかないと。
オランダのように、文化的な背景などの違いはあるものの、
こういう教育も可能なんだという希望を感じることができました。

2/16 岩城敏之

伝統の子育て文化の現状と、今後のあるべき姿を学びます。
10:15~13:00 

生み育てる人の心と体に寄り添うための子育て支援者「15のまなび」の最終回

2月16日の岩城敏之さんのお話から一部を紹介します。

ゲームを少し
参加者で体験、大人も夢中になるおもしろさ。
外国製には、動物の生態を楽しく学べるカードが
あったりするんですね。 参加者の方がどんな活動されていて、
子育てについてどんな思いを感じているかを
自己紹介しながらシェアタイムもありました。

岩城さんのお話から 最近は、子どもの育ちのメカニズムがうまくいってないことが多いんです。
視覚や聴覚だけを主に使うだけだと、
子どもの脳の成長が偏ってくるんです。
今は、意識して子どもに運動させてほしい。
指先や手先を使う体験、
はいはいして動いたり、
登っても大丈夫なところで登ったり、とんだりするような体験、
自然の中で遊ぶ(草や石をひろったり、坂道歩いたり)体験は、
子どもの微調整能力を発達させ、
しなやかな心と体を育ててきたんです。

こういった遊びの実体験が、子どもの中にデータベースを
養っていきます。
「たくさんのことを経験し、それを言葉で表す中で、
言葉を聞いただけで絵が見えたり、さわってなくても感触が
わかるといったかしこさのデータベース。」(本からの引用)

子どもが遊ぶ力の本質は、幸せをゲットする力なんです。  
「子どもは何を見たら楽しいかな、何をさわったらおもしろいかなと
いうところから発展して、将来どんなことをしたら楽しいかなと、
自分の感じ方で感じて、イメージを広げていき、計画し生きていく力を
培っていくわけです。」 (本からの引用)    

子育ては未来へのしこみであり、文化の再構築  
日本の子育ての道具として、
わらべ歌、子守唄、手遊び、昔話とかありますね。  
わらべ歌や昔話は、機嫌よく生きていけるようにという
先祖の願いと思いがこめられている文化なんです。  

和食が今クローズアップされていますが、
和食もまた感覚でやってきて、そのよさに無自覚のまま
きています。
これからは、日本の文化のよさを自覚して学んでいく必要があるんです。  
子どもの遊びの質が重要で、次の世代のことを考えて
仕組みをいれこんでいくことが大事。  
遊びの中で、人との横の関係を築く力を養っていくとか。  
鬼ごっこというのは、実はボードゲームと同じジャンルで
教育的な狙いは一緒。

誰が鬼になるかは、代表の公平な選出
おりあいをつけ、ルールをつくる、変更する力
想い通りにならないことや、挫折に対する抵抗力
どの子も参加し自治をやっている

かつては遊びの中で、社会で生きていく練習をしていたんです。

感想

今は、トランプの七並べを知らない子もいるのだそう。
尾木先生もテレビで、最近はかくれんぼができない子どもがいるとか
一人で隠れることができなくて、一緒に隠れてしまうから
みつかったらすぐに終わってしまうんだとか。

私自身、自分が子どもの頃はトランプ遊びよくやってたけれど、
自分の娘たちとはちょっとしかしてなかったような。

ドイツでは家庭でボードゲームを楽しむ文化があるそうですが、
日本では、まだまだボードゲームは知られてないようです。  
子育てに関するキーワードがぼんぼんでてきて、
そうなんやと新たな観点からみることができました。  

子どもの遊びの質がかなり変わってきているだけに、
子どものしなやかな心と体をはぐくむような遊びを、
その重要性に気づいた大人が保障していくことが
大事なことなんだなと思いました。

お話をまとめるにあたっては、 岩城敏之さんの本
「子育てのコツ -絵本とおもちゃを通してー」を
三学出版 
参考に引用させていただきました。